「毎日書道展の出展2作品について」
作品について、ご質問を頂戴しましたので、ご紹介させていただきます。
⚫︎近代詩文書:「反響」三木露風
柔らかな蘆の中の小供
酔ふた世界は反響しつつ
童話の海に波だたせる。
『白き手の猟人』より
ふるさと龍野への望郷と、離別した母への慕情が歌われています。
⚫︎漢字Ⅰ類:「茶稜道中」蕭立之
山深迷落日,一径窅无涯。
老屋茅生菌,饥年竹有花。
西来无道路,南去亦尘沙。
独立苍茫外,吾生何处家。
蕭立之の宋の時代の詩
山奥に住む作者が、戦乱の近づいている混乱の中、自分の人生について考えています。
一字だけでなく字間、行間も意識しました。
筆勢、緩急のメリハリやバランスにも気をつけながら、墨の無い書かれていない部分の余白、墨の濃淡、かすれなども意識して、線の流れやリズムを整えました。